農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 38

<<   作成日時 : 2015/10/18 02:32   >>

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(…………?)
 身構える東方不敗が酷く警戒心を顕わにしている。それを不思議に思ったキョウジが東方不敗の視線の先を追いかけて―――――
「な――――――!!」
 思わず、息を飲んでいた。
 何故ならそこには、先程の『ハヤブサもどき』の影が2体、抜刀しながらこちらに近づいてきつつあったから―――――
(嘘だろう……!? 一体だけでも手こずったのに……ッ!)
「……………」
 その想いは東方不敗も同様なのだろう。その面に、いつもの不敵な笑みはない。それどころか、彼の額からは汗が滴り落ちている。

 これは、かなりまずい。

 そう感じたキョウジは懐から携帯電話を取り出すと、迷わず弟の番号を押していた。


 その頃、ドモンはと言うと。
「あっ!! サイ・サイシー!! それは俺の獲物だぞ!!」
「へへ〜んだ! おあいにく様! ぼうっとしている兄貴が悪いんだよ〜だ!」
「クッ……! 言わせておけば……!」
 そう言って歯ぎしりするドモンの後ろから、チボデーとジョルジュが歩いて来ている。
「あちらのブロックには、もうほとんど敵影はありませんね……」
「そうだな。随分と少なくなっちまったものだ」

「向こうの敵も、もう居ないぞ」

 そう言いながら、アルゴ・ガルスキーの巨体も、のそりと姿を現した。
「これは……どう言う事なのでしょう?」
 閑散とした夜の街を見つめながら、ジョルジュが呟く。
「これで終わりか? そんな訳無いよなぁ」
 チボデーの言葉にアルゴも頷いた。
「これで終わりなら、敵が弱すぎる……。我々全員が、出向いてくるほどでもない」
 それもそうですね、と、ジョルジュが小さく返事をする。その目の前では、相変わらずドモンとサイ・サイシーが、残った敵の撃破の奪い合いをしていた。
「邪魔だッ!!」
「兄貴こそ!!」
 全く白熱した、ある種の子供じみた戦い―――――だがそれも、ドモンの懐の携帯が鳴った瞬間に終わりを告げた。
(兄さんからだ!!)
 相変わらず兄からの着信に敏感な弟は、2コールと待たずに電話を取った。
「兄さん!? どうしたッ!?」
「あ……ドモン? 今、話しても大丈夫か?」
「ああ! 全く問題ない!」
 影を撃破しながら、ドモンは鼻息荒く答える。何時どんな状況であろうと、兄と話をする事に、自分的には全く問題は無かった。
「そうか……」
 兄から、穏やかな返事が返ってくる。しかし、その声に―――――若干切迫した色を感じるのは何故なのだろう。
「兄さん? どうした?」
「いや……その………うわっ!?」
 キョウジの悲鳴と共に、携帯の向こうから激しい衝撃音とノイズが聞こえる。
「兄さん!? 兄さんッ!!」

 ―――これは、兄が危機に陥っている――――!

 そう直感的に感じてしまったドモンは、気がつけば猛然とダッシュをしていた。
「あっ!? 兄貴!! どこ行くんだよ―――ッ!!」
 間髪入れずサイ・サイシーもその後を追いかける。
「お、おい!?」
「どうしました!?」
 脱兎のごとく走りだしたドモンを追いかけて、チボデーとジョルジュも続いた。

「……………」

 アルゴはしばらくその後ろ姿を見送っていたが、残った影達を撃破しつつ、のそりとその後について行った。


「キョウジ!! 大丈夫か!?」
 東方不敗に少し乱暴に庇われたキョウジが、「平気です……」と、打ちつけた頭をさすりながらも身を起こす。そんな自分たちの周りを、『ハヤブサもどき』の2体が、取り囲んでいた。
(どうする?)
 ショットガンを構えながら、キョウジは自問する。とりあえず、弟と連絡はついた。今彼が何処にいるのかにもよるが、最低5分以内には、ここに駆けつけて来てくれるだろう。
 問題はそのドモンが来るまでの間、どれだけしのげるか―――――総てはここにかかっていた。
 東方不敗が1人だけで戦うのならば、特に問題がある訳ではない。今目の前にいるモンスターが更にその数を増やそうとも、彼は問題なく戦える筈であった。
 だが―――――今東方不敗は、自分と、シュバルツとハヤブサの身体を守るというハンデを背負ってしまっている。肉弾戦を得意とする格闘家にとって、自分の行動範囲を大幅に制限されてしまう事は、かなりの不利を被ることになった。
(せめてシュバルツが起きてくれていたら……!)
 キョウジはほんの少し、恨めしい気持ちを込めて眠るシュバルツを見つめる。しかし、いくら見つめた所で彼が起きる筈もなく、状況が進展する訳でもない。彼はため息を吐きながら、いろいろとあきらめるしか無かった。
(どうする?)
 もう一度、己に問いかける。
 手に持つ武器は、役に立たない。それは、先程の戦いで証明されていた。それに、自分の体術が、あの『ハヤブサもどき』に通用するとも思えない。今のままでは完全に、自分は東方不敗の足手まといだった。それなのに――――
「良いか!? キョウジよ!! ワシの傍から離れるでないぞ!!」
 東方不敗は自分にぴったりとくっつき、全力で守る構えを見せている。
 全く困った人だ。
 この戦いに入る前―――――『自分の身の安全は保証しない』と、言ったくせに。どうしてそんなにまでして―――――自分なんかを守ろうとするのだろう。
(何とかしなければ……)
 キョウジはグッと歯を食いしばっていた。
 何もかもを覚悟して、ここに残ったのは自分だ。だから、東方不敗の足手まといになっている場合ではないのだ。戦わなければならない。だがそのためには―――――

「………マスター……」

 そろりと声をかけてくるキョウジに、東方不敗は鋭く反応した。
「どうした? キョウジ……」

「後5分以内に、ドモンが来ます」

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