農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 56

<<   作成日時 : 2015/11/22 13:16   >>

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(どうすればいいんだ……! このままではシュバルツとハヤブサの方まで防御が行き届かない……! あの二人こそ、本当なら守らなければいけないのに――――)
 今のところ、サイ・サイシーとアルゴが、あの二人の周りを守ってくれている。だけど、敵も徐々に更に強力な物になりつつあるだけに、今の状態は好ましいものであるとは言えなかった。

 ならば、どうするべきなのか。

 しばらく思案していたキョウジであるが、やがて、ポン、と、己が柏手を打った。こんなの、考えるまでもなく、己が取るべき行動は一つだと気づく。
 モンスターの攻撃がやんだ一瞬の隙をついて、キョウジは東方不敗の影から転がり出ると、猛然とダッシュを開始した。
「あっ!! キョウジ!? どこへ行く!?」
 当然それに後れをとるような東方不敗ではないので、彼の後ろにぴったりとくっついてくる。キョウジは東方不敗を引き連れたままシュバルツ達が眠るベッド脇に来ると、そこでくるりと向きを変えた。背後から、標的である自分を追いかけて来ていたモンスターたちと、視線が合う。
「……………!」
 攻撃される、と、キョウジが思う間もなく、東方不敗がそのモンスターたちを一蹴した。
「猪口才な!!」
 そのままモンスターたちに向かって構えをとる東方不敗。キョウジはほっと胸をなでおろしていた。
(これは、賭けだ)
 眠り続けるハヤブサとシュバルツを見つめながら、キョウジは思った。
 何故自分が、いきなりモンスターたちの攻撃対象に挙がってしまったのかはわからない。だが、あからさまに狙われている自分。だから本来なら――――戦略的に考えても、モンスターたちの攻撃の対象を分散させるために、自分はこの二人からは、離れるべきなのでは、と思う。
 しかし哀しいかな――――自分の腕はモンスターたちと互角に渡り合えるほどではない。そんな自分が「囮」としての役割を担おうとしても、役に立つどころか皆の戦力を分散することになり、却ってその行為は足手まといにしかならないと、キョウジは結論付けざるを得なかった。
 それならば、「狙われている者が一点に集まる」というリスクを背負ってでも、守られるべき者どうして固まっているに限ると、そう考えた。

「ぬおおおおおおっ!!」

 そして、案の定東方不敗は、自分を守ることを最優先にしながらも、結果的にシュバルツもハヤブサも守ってくれている。今のところこれでいいのかとキョウジは思った。
 しかし――――

「まだまだぁ!! かかって来んかぁ!!」

 東方不敗が鬼の形相を浮かべながら、阿修羅のごとく奮戦している。このままでは、東方不敗に負担がかかり過ぎているように思えた。でも、その負担を軽くするために、自分は、どうすればいいというのだろう。

「グラビトン・ハンマ――――――ッ!!」

 野太い叫び声とともに巨大な鉄球が飛んで来て、周りの敵が一掃される。驚いてキョウジが振り向くと、アルゴ・ガルスキーがその巨体を揺らしながら、のそりとこちらに向かって来ていた。
「サイ・サイシー!! こちらに防御の『陣』を張るぞ!! マスターアジアを援護するのだ!!」

「OK!!」

 少し離れた所で戦っていたサイ・サイシーが、アルゴの呼び掛けに明るく応える。近づいてきた二人に、案の定というべきか、東方不敗からは怒声が飛んだ。
「フン!! 誰がお主らに援護を頼むと云った!?」
 そう言って睨みつけられるが、しかしアルゴも怯まない。
「別にお前のためではない。キョウジ殿とシュバルツ殿と……ドモンのためだ」
「……………!」
「この二人に何かあったら、ドモンが悲しむからな……」
「おいらだって!!」
 アルゴの反対側から東方不敗の傍に回り込んできたサイ・サイシーが、元気よく答える。
「お家再興のために、そしてドモンの兄貴のために――――――何よりここは、最高の修業の場だ!!」
 二人の言い分を黙って聞いていた東方不敗であるが、やがて、フン、と大きく息を吐くと、改めて敵に向かって構えなおした。
「よかろう!! 二人とも……わしの足を引っ張るでないぞ!?」

「「言われなくとも!!」」

 三人のやり取りを黙って聞いていたキョウジであるが、やがてその面に小さな笑みを浮かべた。
(良かった………)
 援護を申し出て来てくれたアルゴ。必要とあれば、自分も東方不敗に口添えするつもりでいた。しかし、その必要もなさそうだった。三人は、初めて共闘するとは思えないほど息ぴったりに目の間の敵と戦いを繰り広げている。
 これで暫くは持ちこたえられそうだ。しかし………。
「……………」
 キョウジはため息を吐きながら、少し離れたところに転がる工具箱を見る。逃げ回る時に、持って移動する事が出来なかった。あれが無いと何もできない。自分が明確な『標的』になってしまっている今、戦いの合間を縫ってあれを取りに行くのは、ほぼ不可能に近かった。そんな事をしたら、ここにいる皆に多大な迷惑をかけてしまう。
(大丈夫だ……。落ちつけ……)
 キョウジは深呼吸をして、ともすれば焦りそうになる気持ちを落ち着ける。今の発電機も、あと少なくとも1日半以上は稼働する。すぐにどうこうなることもない。工具箱を取りに行くチャンスも、発電機をもう一度作るチャンスも、必ず来るはずなのだから。
(シュバルツ……! ドモン……! そしてハヤブサ……! 皆、どうか無事で――――)
 必ず帰って来てくれ。
 闇の世界につながるゲートを見つめながら、キョウジはそう祈り続けていた。


「うおりゃああああああっ!!」

 闇の中、ドモンの雄叫びが響き渡る。
 モンスターたちの攻撃は苛烈を極めたが、ドモンは特段慌てることもなかった。ここは敵の世界の真っ只中。モンスターたちが大挙して襲ってくるのは、ある意味当たり前でもあったからだ。

 ドシャッ!!

 モンスターであった残骸が、地面にもろい音を立てて叩きつけられる。それに数体のモンスターが巻き込まれて四散していた。
「ふ〜。おっかねぇなぁ」
 額の汗をぬぐいながら一息つくチボデーに、ドモンはフン、と、鼻を鳴らしていた。
「そんな奴ら、物の数でもない。それよりも……兄さんはどこだ?」

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