農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 58

<<   作成日時 : 2015/11/26 17:45   >>

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「必ず帰る!」

 あの兄は、そう言った。
 ハヤブサを連れて、必ず帰るからと。
 兄は口に出したことは、必ず実行する人だ。その兄が、ハヤブサを救うために来ているこの世界で、ましてハヤブサと合流しているあの状況で、そこから一人でうろうろしていることなど、まずあり得ない。あの兄ならば、絶対にハヤブサを助けだして、ハヤブサと共に居るはずだ。もしくは、ハヤブサを助けるために、自分の身を犠牲にするか――――
 最悪な場合、ハヤブサだけが助け出されて、この世界を独りでうろうろしている可能性だってある。
(……そんな事、させてたまるか……!)
 ドモンはギリ、と、拳を握りしめていた。
 自分は、兄を助けだすためにこの世界に来ているのだ。例え世界のために兄がその身を犠牲にしようとしても、自分は断固として、それを拒絶する。何が何でも兄を助けだす。それが出来ずして、何が『キング・オブ・ハート』か。
(……見てろよ……! シュバルツの偽物はぶん殴る! ハヤブサは、見つけ次第何が何でもぶん殴る!!)
 まったく何だってんだ。
 ハヤブサの奴、兄さんにつき纏って、あまつさえ、余計な苦労を背負わせやがって………!
 こんな按配で、後から後から腹の底から湧いてくる怒りの虫が、どうにもこうにも収まらない。

「兄さんは、俺だけのものだ―――――ッ!!」

 闇の世界の中心で、訳の分からないことを叫ぶドモンを、チボデーとジョルジュも呆れかえりながら見守るしかなかった。
「……もしも、『ブラコン世界一決定戦』とかいう大会があったなら……あいつは間違いなく『キング・オブ・ブラコン』だな………」
 ポツリと零されるチボデーの言葉を、ジョルジュもさすがに否定できないで苦笑を返すしかなかったのだった。


(おのれ……! いったいどうなっているのだ!? これは………!)

 邪神ラクシャサは、漆黒の闇の中でその見えざる拳をきつく握りしめていた。
 全く以って予想外だ。龍の忍者以外にあれだけ腕の立つ人間が、この世界にいたとは。
 仕留めたいのはキョウジ・カッシュとドモン・カッシュ。それは揺るぎない。この二人を殺す事が出来れば、今行われている人間たちの抵抗など、雲散霧消することは目に見えている。
 だからそれを実行したいのだが。

「おのれッ!! 我が主を害そうなどと、このワシが許さん!!」

 キョウジ・カッシュの前に立ちはだかる男が、こちらの攻撃をことごとく跳ねのけてしまっている。所詮は多勢に無勢だと、モンスターの数で押しているのだが、男の気力は消耗するどころか、逆に跳ねあがっていくばかりだ。
 おまけにこちらの世界に入ってきたドモン・カッシュはというと――――

「偽物は飽きたッ!! 本物はどこだぁ!!」

 繰り出していくモンスターたちを次々と撃退しながらまっすぐ突き進んで来ている。全く躊躇のないあの攻撃の仕方。まるで、『近づく者皆ぶん殴る』と決めているような節さえ感じられる。
 何故だ?
 人間はみな――――大切に思う者が近づいてきたら、攻撃を止めるのではないのか? あんなに躊躇なく拳を振るえるものなのだろうか?
 もしも、そうではないというのなら、あのドモン・カッシュという男には、シュバルツの本物と偽物を区別する明確な指針を持っている、ということになる。
 だとしたら、それは何だ?
 どこで奴は、本物と偽物の区別をつけているというのだろう。

「この、『キング・オブ・ハート』の紋章にかけて!!」

「この戦い!! 絶対に負けられんっ!!」


 空間を超えて、師弟の手の甲に、同じ『キング・オブ・ハート』の紋章が輝きだす。

「ドモンの兄貴が頑張ってる!!」
「そうだ!! 俺たちも!!」

 東方不敗の傍で戦うサイ・サイシーとアルゴの手の甲にも。
「負けてらんねぇ!! 敵をぶちのめす!!」
「退けぬ戦い!! それは我らも同じこと!!」

 闇の世界で戦うチボデーとジョルジュの手の甲にも、同じく『シャッフル同盟』の紋章が輝きを放ち始めていた。
 今――――紋章の輝きが時空を超えて共鳴をして、戦う男たちの力を最大限にまで引き上げようとしていた。

(おのれ………!)

 邪神・ラクシャサは焦り始めていた。
 このままでは龍の忍者の身体を拠り代にするどころか、自分自身が内面から破壊されかねない。それほどまでの勢いを、人間たちから感じつつあった。
(何か手はないのか……! 人間たちの勢いを崩す、何か手は――――!)
 闇の中、邪神は懸命に、人間たちにつけ入る隙を探し続けていた。


 観音像の張った結界は、ボロボロと崩れつつある。
 その中でシュバルツと仁王は、龍の忍者の繭を守りながら、懸命に戦いを続けていた。
 襲い来るモンスターたちは徐々に強く、物理的にも精神的にもその凶暴さと邪悪さを増して行っていた。
「まだまだぁ!!」
 シュバルツは襲い来るモンスターたちを、それでもことごとく退け続けていた。

 帰る。
 帰るんだ。

 キョウジの元へ。
 ドモンの元へ。

 ハヤブサを連れて――――!!

 涙を流し続けている観音像。

 感じる。

 観音像の祈りが。
 キョウジの心が。
 ドモンの声が――――。

 それは私に、勇気をくれた。

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