農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 82

<<   作成日時 : 2016/01/20 13:11   >>

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「そう――――ドモンたちは死んではいない。だが、あの邪神によって、どこかに閉じ込められている可能性はある……」
 キョウジの言葉にマスターアジアの眉がピクリと動き、皆がキョウジに注目をする。
 今、この戦いの指揮を執っているのはキョウジ。誰もがそう感じ取っていた。
「皆の力を合わせれば、あの邪神を倒すことは簡単だ。だが、あの邪神を今倒してしまうことで、ドモンたちがその次元に、閉じ込められっぱなしになってしまったら――――?」
「……………!」
「それに、あの『邪神』はおそらく完全復活には至っていない。わざわざシュバルツの姿を模していること、そして、全体的に動きが鈍く、半植物のような形態をとっていることを見てもわかる」
「ほう…………」
 キョウジの言葉に、邪神の頬がひくひくと引きつる。
 いろいろとこちらのことを見透かすような発言―――――この男は危険すぎると断を下さざるを得なくなった。

「いちいちこざかしい奴め!! 吾の力が完全ではないかどうか、貴様自身で確かめてみるがよい!!」

 叫ぶラクシャサから、雨あられと降ってくる攻撃弾。
 だがキョウジは、それを見ても避けようともしない。微動だにせず、立ち続けていた。
 そして当然、それを黙って見ている東方不敗ではない。

「しゃらくさい!!」

 キョウジの前に立ち、その攻撃を老人はすべて防ぎきる。そのまま、ラクシャサと東方不敗の戦いは続き、まるで、一騎打ちのような様相を呈してきた。
 その間、キョウジはその場から一歩も動かない。東方不敗の後ろで、じっとラクシャサを見据え続けていた。

「おい、兄さん! 無茶しすぎだ!! いくらあの邪神に腹を立てたからと言っても――――!」

 その場から一歩も引こうとしないキョウジの様子を見かねたチボデーが、こそっと声をかけてくる。それに対してキョウジは、ふっと相好を崩した笑みを見せた。

「すまないな。私はあの邪神に対して、そんなに腹を立てているわけではないんだ。ただ―――――見てくれ」

 キョウジは顎をしゃくって、チボデーに邪神の足元にある発電機の方を指す。発電機はいびつに歪み、バチバチッ! と、放電しながら不吉な音を立てていた。

「発電機が………壊れたみたいだ……」

「ええっ!?」
「なんですって!?」
「嘘だろう!?」
「…………!」
 キョウジの言葉に、シャッフルの面々が、一様に息をのむ。
 発電機が壊れる―――――それが、どういうことを意味するか、皆が察してしまったからだ。
「おそらく、結界も切れている………。あの邪神が人間を襲いだすのも、もう時間の問題だろうな……」
 キョウジは拳を握りしめながら、邪神を見据え続けていた。
「邪神が人間を襲い、力を蓄え、完全復活をしてしまったら、それを倒すのはひどく困難なものとなる。だから、それを阻止するために、私たちは動かなければならないんだ」
 その言葉に、皆が察した。これからの自分たちの役割を。
「OK ‼ わかったぜ! 兄さん!!」
「我々の役目は、ドモンたちが帰ってくるまであの邪神を引き付け、足止めをすることですね!」
「へっ! あんな奴相手にするなんて、朝飯前だぜ!!」
「…………!」
 アルゴは相変わらず口を開かない。その代わり、胸の前で掌を拳で、バシン!! と、叩いた。戦いに向けての気合は、十分のようであった。
「それでは皆――――頼みます」
「応ッ!!」
 キョウジに応えて、皆がそれぞれの場所に散っていく。各々の右手には、シャッフルの紋章が煌々と輝きを放っていた。

 ――――ドモン!!
 ――――私たちは、ここで戦い続けます!!
 ――――おいら、信じているから……!
 ――――必ず帰って来い!! ドモン・カッシュ!!

 4人の胸に宿る願いは、皆、同じだった。


「フフフフ……相変わらず、無茶をしおるな……」

 皆がそばを離れたのを確認してから、東方不敗はキョウジに向かって口を開く。
「邪神を挑発するはいいが、お主の行動、いささか蛮勇だぞ。それとも……お主は、ワシの腕を試したいのか?」
 東方不敗のちょっと揶揄とも取れる物言いに、キョウジは苦笑するしかなかった。
「すみません……。でも、人々を守るには、この方法しか思い浮かばなくて……」
 実際、自分が邪神と直接戦えるだけの腕がないから、こんなやり方はかなり無責任なものだと言われても仕方がなかった。何が何でも自分を守ろうとする東方不敗の腕を、実際当てにしすぎている。
「よい。キョウジよ。お主はワシの腕が、あの邪神に後れを取るものではない――――と、思ったからこその策なのであろう?」
 そうです、と、キョウジが頷くと、東方不敗は満面の笑みをその面に湛えた。
「よかろう!! キョウジよ!! この東方不敗! お主の期待に見事応えて見せようぞ!!」
 ダン!! と、強く踏み込むと同時に、東方不敗の身体から、ふつふつと強い闘気が沸き上がる。その強さ、激しさは、邪神ですら看過できないものとなっていった。
(それにしても解せんな……。キョウジは『人々を守りたい』と言っていたが……その『人々』とやらは、キョウジに何かをしてくれるものなのか?)
 邪神に対して構えを取りながら、東方不敗の脳裏にそんな考えがふっとよぎる。
 人は元々利己的なものだ。簡単に裏切るし、自分のために他人を踏みつけることなど平気でする。故に、人類など、こちらが命を懸けてまで守る必要はない。滅ぶのならば、滅んでしまえばいい、というのが東方不敗の考え方だった。
 しかし、キョウジは少し違う考え方をする。

「そうですか? 私も結構利己的な人間ですよ?」

 将棋をしながら他愛もない話をしていた時、ふっとそんな言葉がキョウジから漏れた。

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