農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 88

<<   作成日時 : 2016/01/30 08:24   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

「見よ!! この身体!! この破壊力!! お主らがどんなにこちらを攻撃したところで、この身体は甦る!! 吾を倒すことなど不可能だ!!」
 ゲラゲラと笑いながら、力を誇示するようにケーブルたちを振り回す。
 チボデーたちもそれらをよけながら、懸命に攻撃をするのだが、彼の邪神の言葉通り――――こちらの攻撃の力が吸収され、邪神の力に変換されていくのを手助けしているように感じられるだけであった。
「畜生! これじゃきりがないぜ!!」
「しかし――――! ここで私たちがこれを放り出すわけには……!」
 チボデーの悲鳴にジョルジュが答える。だが彼も、戦えば戦うほど、こちらが不利になっていくように感じられる状況に歯噛みしていた。
「ドモンの兄貴はまだかよ!?」
 サイ・サイシーの問いかけに、明確な答えを返せる者は誰もいない。その横でアルゴが、無言で「ガイア・クラッシャー」を放っていた。
「…………!」
 キョウジの前で構えをとりながら、東方不敗もまた迷いの中にあった。
 戦っても相手に利するだけのように見えるこの状況。セオリー通りいくのなら、いったんこの場は放棄して、作戦と戦力を立て直すのがベストの判断のように思えた。
 しかし―――――キョウジが。
 自分が『主』と仰ぐキョウジが、ここから一歩も引く構えを見せない。

 ここで戦う自分たちの腕を信頼しているのか。
 それとも、自分たちの後ろにいる人々の安寧を願っているのか。
 それとも、信じているのか?

 ドモンが
 ハヤブサが
 そして、シュバルツが
 この状況から帰ってくると………!

 信じるのは大いに結構だが、根拠もなくやみくもにただ信じる行為は危険すぎるともいえた。仲間を信じすぎたばかりに、ここで全滅の憂き目にあってしまうのなら、それは『蛮勇』という愚かな行為と何ら変わりがないからだ。後に待ち受けているのは、ただ、最悪な事態だけだ。

 決断することも必要だった。
 仲間を切り捨てる、非情な決断をする勇気。

(キョウジは、優しすぎるからな……)

 東方不敗は覚悟を決める。
 必要とあるのならば、自分がその断を下す覚悟を。
 自分にとっては何より優先すべきはキョウジの命。
 彼さえ無事でいてくれるのなら――――この先、如何様にも状況を立て直すことができる。
 そう信じ切れるほど、東方不敗にとって『キョウジ』という存在は絶対的だった。

「キョウジよ。この戦況をどう読む?」

 東方不敗はキョウジにそう問いかけた。この先の自分の行動を、決断するために。
「厳しいですが、チャンスはあります」
 東方不敗の問いかけに対して、キョウジの口調は冷静そのものだった。『情』ではなく、『智』でこの状況を判断している証だった。
「ほう……? 何故そう言い切れる?」
「『あいつ』はまだ――――『核』となる『シュバルツ』を得ていませんから――――」
 キョウジはそう言ってにこりと微笑むと、今度は邪神に対して問いかけ始めた。
「なあ? そうだろう? お前はその中に、まだ『核』を得ていないのだろう?」
「……………」
 邪神からの答えはない。だがキョウジは、構わず続けた。
「『核』を得ていないお前はただ――――自分の『神気』によってのみ、その動力源を得ているんだ。だから、今は力を吸収しているように見えても、やがて、限界が来る――――」
「…………!」
 その言葉に邪神は絶句し、周りで戦っている者たちの表情は、ぱっと明るいものになった。
「本当かい!? それは!!」
 サイ・サイシーの問いかけに、キョウジは優しく頷く。
「ああ。本当だ。『核』を得ていない以上、あいつはこれ以上進化のしようがない。後は力が飽和したら――――崩れ去るのみだ」

 そう。キョウジは知っていた。
 DG細胞が真にその『核』を得て、暴走したらどうなるか―――――そのスピードと強さを、彼は身をもって知っていた。

 強大な強さだった。
 とても、手が付けられなかった。
 その一薙ぎは周囲を破壊しつくした。
 その炎は、街を焼き尽くした。

 DG細胞が真に暴走を始めたら、こんな風に足元に立って、平気でいられるはずがない。
 相手がまだ、ただの空の器だとわかる。だから、ここから退く理由もなかった。
 退けば――――相手に『時間』を与えてしまえば、それこそ、こちらが不利になるだけだ。
「なるほど………」
 東方不敗も、キョウジの言い分には一応納得はした。
 しかし、今の戦況がかなり不利なものであることに変わりはない。
 どこまでここで粘るか、見極めねばならぬと思った。

「…………」
 その時、モニター越しにキョウジの姿を見つめていたハヤブサが、あることに気付く。
「おい……! 見ろ、ドモン・カッシュ」
 だからハヤブサは、すぐにドモンに声をかけていた。
「あのキョウジの手元をよく見ろ……。何か、光っていないか?」

「手元?」

 きょとん、としながらドモンがキョウジの手元を見ると、確かに、キョウジが何かを大事そうに抱えていて、それが、白い光を放っているのが見える。
「キョウジ!! キョウジ!!」
 ハヤブサが、キョウジに呼びかけを始めた。
「お前も呼んでみろ、ドモン・カッシュ」
「兄さんに、聞こえるのか!?」
 驚くドモンに、ハヤブサはさらに言葉をつづける。
「分からん。だが、呼びかけてみる価値はある……。あれは、時空を超えるような――――そういう類の波動を感じる光だ」
「まさか………?」
 ドモンは半信半疑になりながらも、キョウジに呼びかけを始める。
「兄さん!! 兄さん!!」
「キョウジ!!」
 シュバルツもまた、キョウジに呼びかけを始めた。すると、こちらの声が聞こえたのか―――――キョウジがきょろきょろと辺りを見回し始めた。

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