農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
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zoom RSS 龍と剣と、その拳と 93

<<   作成日時 : 2016/02/08 02:22   >>

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「…………!」
 戻されたと同時に、自分にぐっとかかってくる時空嵐の衝撃。
 腕に伝い落ちてくる、生温い液の感触に、片口の傷も裂けたのだと悟る。朦朧としてくる意識――――血が流れすぎていた。
 それでもかすむ視界の中、目の前を飛ぶ、光る鳥の姿を探す。するとその鳥は、すぐに見つけることができた。
 時空嵐の中、飛んでいるように見えるその光る鳥。しかし、それはよく見ると、一か所に留まり続けていた。そして、羽を大きく広げていた。

 ここが出口だ。
 撃て。

 そう訴えていた、あの鶴と同じように――――

 その瞬間、ハヤブサは己が為すべきことを悟った。

「ドモン・カッシュ!!」

 それ故に、ハヤブサは声を張り上げていた。しかしそれをした瞬間、腹から何かが逆流してきて、ハヤブサはそれを吐いた。ボタ、と、赤い鮮血が、視界に飛び込んでくる。
「ハヤブサ!!」
 愛おしいヒトの悲鳴のような声が、辺りに響く。しかしハヤブサは、それには構わずに叫び続けた。

 あと少し
 あと少しなのだ。

 あと僅かでいい。
 印も絶対に解いてはやらない。
 だからあと少しでいい。
 結界よ
 どうか保ってくれ――――!

「あの鳥を撃て!!」

「――――!?」

 何を言われたのか瞬間的に理解できず、眉をひそめるドモン。しかしハヤブサは、かまわず続けた。

「あそこが出口だ!!」

「な――――!」
「ハヤブサ………!」

「撃て――――ッ!! ドモン・カッシュ!!」

 叫び終わった後、ハヤブサは激しく噎せ、咳き込んだ。ぼたぼたと、鮮血が落ちた。しかし、それでハヤブサの結界が揺らぐことはなかった。震える手で、彼は印を結び続けていた。
「ドモン!!」
 シュバルツもまた、そんなハヤブサを支えながら、まっすぐにドモンを見つめていた。

「兄さん……!」

 そのシュバルツの揺るぎない視線に、ドモンも悟った。兄は龍の忍者を信じたのだと。ハヤブサは、『真実』を叫んでいるのだと―――――

「分かった……! 任せろ!!」

 ドモンは大きく息を吸い込むと、マスターアジア直伝の最終奥義を放つ準備をしていた。


「おのれッ!! 人間風情が――――!!」
 邪神ラクシャサの身体が一段と大きくなり、さらにその力が増した。荒れ狂う触手のようなケーブルは、アルゴの作った壁を破壊し、彼を弾き飛ばしていた。
「ぐうっ!!」
「おっさん!!」
 アルゴに気を取られ、叫ぶサイ・サイシー。その一瞬の隙に、彼もまたラクシャサによって、壁にたたきつけられていた。
「許さぬ!! 許さぬぞ!! 吾の邪魔ばかりしおって―――――!!」
 暴走する邪神の力はとどまるところを知らず、周りを破壊しつくしていく。
「おい兄さん!! 本当にこいつの力に、飽和状態が来るのか!?」
 チボデーが、痺れを切らしたように叫び声をあげた。先ほどから彼は、何度も己の必殺技である『豪熱マシンガンパンチ』を邪神に叩き込み続けている。しかし、一向に衰える様子を見せない邪神の力に、根を上げそうになっていた。
「……………!」
 キョウジも歯噛みしながら、邪神を見つめていた。
 核を持たないDG細胞の暴走体は、やがて限界を迎えて死滅する――――これは、データに基づいて実証されている、確かな物だった。しかし、その力の限界量がどこにあるのか、キョウジも明確に指し示すことができないから、ただ、唇をかみしめるしかない。
「チボデー!! 弱気は禁物です!!」
 仲間の悲鳴を察したジョルジュから、檄が飛ぶ。
「我々が今、ここから退くわけにはいかない!! いいですか!? 今は、私たちができることを――――!!」
「ジョルジュ!!」

 ドカッ!!

 あっという間に、チボデーとジョルジュも、邪神のケーブルに薙ぎ払われ、轟音とともにその身を叩き付けられてしまう。

「猪口才な!! ダークネス・フィンガ――――!!」

 だがその隙をついて、東方不敗が邪神の頭頂部分に攻撃を仕掛ける。ドグワッ!! と、派手な音を伴って邪神の頭の部分が吹っ飛ぶ。頭を失った邪神は、その動きを止めた。
「やったか!?」
 手応えあり、と、東方不敗が振り返る。だが次の瞬間。
 グジュリ、と、音を立てて、蘇る頭頂部。東方不敗が息を飲むよりも早く、その身体から何の予備動作もなく唐突に生えたケーブルが、彼に襲い掛かっていた。
「うぐっ!!」
 薙ぎ払われてしまう東方不敗。キョウジの前が、ついに、がら空きになってしまった。

「追い詰めたぞ……! キョウジ・カッシュ――――!」

 勝ち誇ったように見下ろす邪神。キョウジはただ、息をのむよりほかはなかった。

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