農家の嫁の日記

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当ブログでも発表している『キョウジ兄さんに捧げる物語』を小説同人誌にしました。手作り感満載ですが、興味ある方はどうぞ〜

災害で亡くなられた方、被災された方に哀悼の意を捧げるとともに、心よりのお見舞いを申し上げます。
がんばれ日本!!

zoom RSS 龍と剣と、その拳と 98

<<   作成日時 : 2016/02/16 01:39   >>

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「オン バザラユ セイ ソワカ――――」

 真言を唱え、印を結ぶハヤブサの手の中に、ポウ、と、白い光が宿る。それが、折り鶴に宿っていた淡い光と混じり合って、やがて、ハヤブサの身体に吸収されていった。フ――――っと大きく息を吐いたハヤブサが、立ち上がる。
「ハヤブサ……! まだ立ったりしては―――――!」
 止めようとするキョウジを、龍の忍者が手で制する。
「傷は塞いだ。大丈夫だ」
「でも―――――」

「あの邪神………封印するのは、俺の『仕事』だ」

 そう言ってハヤブサは、多少ふらつきながらも歩き出していく。
「ハヤブサ……」
 心配そうに見送るキョウジの横で、シュバルツもため息を吐いていた。
「あいつはああなったら、もう誰にも止められないからな………」
 やがてシュバルツも、すっと立ち上がる。
「仕方がない。ハヤブサにばれないように、こっそり後をつけるか………」
「シュバルツ……」
 キョウジが心配そうに見上げてくる。それを見たシュバルツは、にっこり微笑んだ。
「心配するな、キョウジ。私は決して無茶はしない。ハヤブサについていくのも、保険のようなものだから」
「でも………」
「大丈夫だ。これだけの面子がそろっているんだ。私の出番もほぼないだろうし、何より、もう負ける気もしない。それに……」
「それに?」
 問い返すキョウジに、シュバルツは少しいたずらっぽくウインクをする。
「もし、万が一私に何かあっても――――ドモンやハヤブサ、そしてお前が、また、助けてくれるんだろう?」
「…………!」
 一瞬目をぱちくりとさせるキョウジに、シュバルツはにこっと微笑む。キョウジは軽く咳払いをしてから「当たり前だよ!」と、少し強い口調で言った。
「貴方は、皆にとってかけがえのない存在なんだ! だからシュバルツ、絶対に約束してくれ! 決して自分をないがしろにしない、無茶をしないと……!」
「ああ、分かっている」
 シュバルツがそう言って頷いたのを見て、キョウジもようやく納得したように頷いた。
「じゃあ、行っておいで」
 キョウジに頷き返したシュバルツの姿が、すっと見えなくなる。そのまま彼は、気配を消してハヤブサについて行ったのだと知れた。

「……じゃあ、私もそろそろ、『戦いの後』の準備をするかな……」

 キョウジはそうひとりごちると、彼もまた、立ち上がっていた。


「師匠!!」
 邪神とにらみ合っている東方不敗のところに、ドモンが走り寄ってくる。その後ろから、チボデーたちシャッフルの面々も続いていた。
 ドモンの顔を見て、東方不敗はにやりと笑う。勝利への道筋が、見えたと悟った。
「さあ、『キング・オブ・ハート』 おぬしの戦い、見せてもらうぞ?」
「言われずとも!!」
 東方不敗の言葉に、ドモンは鼻息荒く答える。東方不敗は後ろに下がり、代わりにドモンたちが前に出てきた。
「おのれ!! 人間どもめ!! あくまでも吾の邪魔をするというのか!?」
 肥大化したラクシャサが、復活しないケーブルを振り回しながらわめいている。
「ああ。悪党を許す拳は、あいにくと持ち合わせてはいないんでね!」
 そう言ってチボデーがファイティング・ポーズをとる。
「そうですね。闇から生まれたものは、闇に帰るべきです!」
 ジョルジュは作法にのっとって、フェンシングの剣を構えた。
「いい加減あきらめろよ!! おっさん!!」
 構えるサイ・サイシーの後ろで、アルゴがガン、ガン、と大きな音を立てて、おのれの大きな拳を胸の前で合わせている。みな――――それぞれ気合十分のようであった。

「行くぞ!! 我らシャッフルの力――――今こそ一つに合わせる時!!」

 ドモンの声に、皆が「応!!」と、答える。皆の手の甲に、それぞれのシャッフルの紋章が光りだしていた。

「さあ!! 勝負だ!! 邪神め!!」

「ほざけ!! 人間如きが――――!!」


 邪神とドモンたちが、真正面からぶつかり合う。
 拮抗した戦いになるかと思いきや、その勝負はあっさりと決まった。
 肥大化し、『核』を失ってしまった『邪神』
 それに対して、真の紋章の仲間が集結した『シャッフル同盟』
 その力の差は歴然であった。
 ぶつかり合ったその瞬間――――すでに勝負は決していたのである。

「ぎゃああああああああ――――ッ!!」

 断末魔の悲鳴を上げながら、邪神の身体がぼろぼろと崩れ落ちていく。
「やったのか………!?」
 崩れ、焼け落ちていく邪神の身体を見つめながら、ドモンがつぶやく。その時、背後から「いいや、まだだ!!」と、声が飛んできた。
「――――!?」
 驚いて振り返ると、そこにはリュウ・ハヤブサの姿があった。彼は龍剣を抜刀しながら、こちらに一直線に走ってくる。
「こいつには『本体』がいるんだ!! そいつを仕留めないと、終わらない!!」
 叫びながら彼は、崩れ行くラクシャサの身体に斬り込んでいく。
「何っ!? どこだ!? それは!!」
 問いかけるドモンに、ハヤブサは振り向きもせずに答えた。
「だが――――こいつ『本体』の場所は、もうわかっている!! こいつと戦うのは、これで『二度目』だからな!!」
 そう言いながら斬り進んでいく龍の忍者。その刀の走りには、迷いがなかった。
「…………!」
 ドモンも、間髪入れずにハヤブサの後について行く。
 それは彼が、『あること』に気付いたからに他ならなかった。

「お前の『本体』―――――それは、ここだッ!!」

 龍剣が、吼えるような呻りをあげてその場所を一閃する。
 ラクシャサの『根』の部分を奥深くまで斬り込んだ龍剣は、寸分違わずにその『本体』を捉えていた。
 根っこの部分から露出したその黒い球状の物は、パンッ!! と、乾いた音を立てて、真っ二つに割れていた。

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