農家の嫁の日記

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<<   作成日時 : 2016/12/21 11:26   >>

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 ハヤブサさん×シュバルツさんのBL小説です。
 興味のある方は、どうぞ〜〜〜

























「ハヤブサ……」
 呆然とするシュバルツを、ハヤブサは更に強く抱きしめてきた。
「シュバルツ……! シュバルツ………!」
 小刻みに震える身体。ハヤブサの小さな嗚咽が聞こえてくる。
「ハヤブサ………」
 シュバルツもまた、ハヤブサをそっと抱きしめ返していた。

(嬉しい……)
 素直に、そう思えた。
 確かに自分の言葉と行動が
 好きな人の支えになれたのだと気づけたから────

「……………」

 シュバルツはハヤブサを抱きしめながら、そっと、背中の傷に触れる。ぬるりとした感触と、深く抉られている傷の様がシュバルツの手に伝えられてきた。
「……………!」
 ハヤブサは、傷の痛み故に眉をひそめ、シュバルツは、その痛みを思いやって唇を噛みしめた。

「ハヤブサ………」

 シュバルツは、ハヤブサに改めて声をかける。

「傷の手当てを……して、良いか………?」

 その言葉に、はっと顔を上げるハヤブサ。シュバルツの静かな瞳と視線が合った。
(シュバルツ………!)
 ずっとこの愛おしいヒトは、自分の手当てをしようと手を伸ばしてくれていた。それを自分は、ずっと踏みにじり続けて居たのに。 
 まだ、諦めずに手を伸ばしてくれるシュバルツ。その優しさに、涙が出そうになる。
「ああ………頼む」
 ハヤブサは、素直に頷いていた。


「酷くやられたな……」
背中の傷の手当てをしながら、シュバルツがポツリと呟く。ハヤブサは軽く苦笑した。
「何、少し罠に嵌まっただけだよ」
「…………!」
 さらっと、酷い目にあった事を告げるハヤブサに、シュバルツは絶句していた。


 今回ハヤブサが請け負ったミッション。
 しかし、それ自体が罠だった。
 その組織の『裏切り者』をいぶりだすための。

 後ろから斬られた瞬間、それを悟った。
 自分は『裏切り』を誘発するための
『餌』にされたのだと──────

 自分を斬って来た男から芋づる式に、その黒幕まで暴きたてる事に成功していた。
 これは、ミッションを依頼してきた者たちからしても、意想外の成果だったらしい。
報奨は水増しされ、『流石龍の忍者よ』と賛辞された。
 だがその過程で、余りにも一般市民を巻き込み、そして犠牲を出していた。

「必要な犠牲だ」

 報奨を渡して来た者たちは言った。

「これで、平和が約束されるなら、安い『犠牲』では無いか」

 ハヤブサは、その言葉を冷めた思いで聞いていた。
(どうせこいつらも、人を後ろから撃つのだろう)
 そんなどす黒い思いが、胸の奥で蟠った。

 空港までの道行きは、市民の怨嗟の声で溢れかえっていた。自分の姿を見て、逃げ出す者もいた。

「人殺し!」

 老女の声が、背中から斬りつけて来た。

 裏切りは『当たり前』だ。
 弱者が踏みにじられるのも『当たり前』だ。
 この真っ黒に汚れた『報償』────自分は何故、受け取ってきた。

 生きていくためか。
 里の者たちを、養っていかねばならないからか。

 ここに立つまでに何人斬った? どれほど斬った? 何人─────犠牲にしてきたんだ。

 分かっている。
 世界は汚い。
 人は醜い。
 この世は悪意に満ちている。

 信じられる物など、何一つ無─────

(………ハヤブサ………)

「……………!」
 優しい声が、胸の内に響き渡る。木漏れ日の中、優しく微笑む愛おしいヒトの姿が脳裏に浮かんだ。

 違う。
 世界は、優しく美しい。
 子は親を慕い、親は子を護る。
 人は、人を愛していく。
 あの明かりの下には、お前が信じて良い優しい世界が、ちゃんとあるんだ。

 そう言って、そのヒトは手を差し伸べてきた。

 自身が裏切りに遭い
 目の前で母が殺されて
 自身の身体さえももう─────『人間でないモノ』に貶められているのに。

 

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